• 地域の学び舎「プラット」

「子どもが動き出すまで待つ」という考え方について

更新日:1月21日

不登校のお子さんが勉強をしたり、高校のことを調べたりするまで、家族は待つ必要があるというのは、支援者からのアドバイスとして一般的なものです。


しかし、「いつまで待っても全然動き出す気配がない」「このまま待っていて大丈夫なのだろうか」という不安の声が、ご家族からは実際によく挙がってきます。実際にこれからどうなっていくかわからないわけですから、浮かんで当然の不安だと思います。しかしそれでもやはり、私たちとしては待つ必要があると考えます。


なかなか難しい問題ですが、「待つ」というのはどういうことか、なぜ待つ必要があるのか、私たちの考えを紹介したいと思います。


トランスセオレティカルモデル(行動変容のステージモデル)


トランスセオレティカルモデル(行動変容のステージモデル)という考え方があります。


これは、何か具体的な困りごとに対して行動を変えていく必要性がある場合の、変化のプロセスを一般化したものです。 このモデルには大きく分けて、自分がとるべき行動について考える段階と、実際に行動する段階の2つの段階があります。






行動する前=考える段階は3つに分かれており、


・無関心期:6ヶ月以内に行動を変えるつもりはないという時期

・関心期:6ヶ月以内に行動を変えるつもりがあるという時期

・熟考期:1ヶ月以内に行動を変えるつもりがあるという時期


という定義がなされています。


つまり実際に行動を起こす前には、


・行動を起こす必要性がどの程度あるのか

・どのように行動をしていくか

・行動するとどうなるか

・実際にできるのかできないのか


などといったことを考える段階があるということです。


“タバコを辞める場合”のプロセス


身近な例として、タバコを辞める場合を考えてみましょう。(あくまで身近な例の1つですので、決してみなさんタバコを辞めたほうが良いという考えを示すものではありません)


タバコは健康に害があり、吸わない方が健康上良いという考え方は一般的なものです。こういう考え方があるということを知らないでタバコを吸っているという人は、ほとんどいないでしょう。


つまり、体に悪いという考え方はわかるけど、それでもプラスが上回るから吸いたいという場合や、体に悪いというけどそんなことはない!と相反する考えを持っている場合などが考えられます。


中々こういった考え方が変わっていかない場合ももちろん多いと思いますが、変わっていく場合はどのような場合があるでしょうか。


様々な場合が考えられますが例えば、


・娘に「パパに長生きしてほしいからやめて」と言われた

・辞めたくはないが高いし吸う場所もないからそろそろ辞めようかな

・最近体調が悪くなってきた。もう若くないし辞めたほうが良いかな


こんなことが考えられると思います。


なぜ待つ必要があるのか


これはとても大事なことですが、本人の意志がなく周りが無理やりやめさせようとしても、隠れて吸うことだってできますし、表面上のふるまいだけを変える場合だってあります。 ちょっと吸わない期間があったが長続きしなかった、ということも大いにあるでしょう。 子どもにとっての勉強や進路選びも同様に考えることができます。 いくらプレッシャーをかけたり行動を促しても、実際に身につくものがほとんどなかったり、見かけだけ上手くやり過ごそうとしたり、といった結果になる場合が多いと思います。周りががんばれば望ましい行動をとらせることができるわけではなく、本人の意志が大前提にあるということが、今回の本題の「待つ」必要性と紐づく一番大きな観点です。


「待つ」とは


さて、「待つ」というのは、タバコの例でいう ・娘に「パパに長生きしてほしいからやめて」と言われた ・辞めたくはないが高いし吸う場所もないからそろそろ辞めようかな ・最近体調が悪くなってきた。もう若くないし辞めたほうが良いかな


といった考えを進めることです。 本人の意志がないと取り組む意味や効果が見込まれない以上、こういったタイミングまで待つ必要性があります。 ただし、待つといっても色々あります。 「勉強をやるよりやらない方が良い」 という考えのお子さんはほとんどいないと思いますし、 「高校に行って特に何かしたいというわけじゃないけど、行かないといけないよなあ」 と、親や先生に言われなくても思っているお子さんがほとんどだと思います。


この、行動に向かう可能性のあるベクトルの思いに誰がどう働きかけるかということが、お子さんが行動を起こしていく上でのとても重要な課題であり、周囲がサポートできる部分の1つです。


プラットで行えること


私たちのお子さんとの関わりにおける仕事は大きく3つで、1つ目は勉強を教えること、2つ目は一緒に遊ぶこと、そして3つ目が、気持ちを聞いたり状況を整理して選択肢を提示したりといったコミュニケーションを取ることです。


この3つがあることが、お子さんが動き出すまでのプロセスで、それぞれ相互に働きあい、プラスの影響を与えていきます。


まず、内面で感じていることについてのコミュニケーションを取るためには、それなりに信頼関係がある必要があります。この点で、一緒に遊ぶということや、学習という共通のものに取り組んでいくことが役立ちます。


そしていざ勉強したい、高校に向けて何が必要か知りたい、苦手なことを克服したい、という気持ちが芽生えた時にしっかりキャッチをして、次の適切なレベルの行動につなげていくことができないと意味がないですから、やはりワンストップで遊び・勉強・コミュニケーションの3つができるということは重要なポイントになります。


いきなり塾に行く、学校に行くということは難しいですし、通信教育をはじめたり、ワークを買ってきたり、親御さんが教えたり、といった形で取り組んでいけることはかなり稀なようです。一般的な塾に行くというのも、ハードルが高い場合が多いと思います。


プラットではこのように、お子さんにとってハードルの低い形で関わりを作り、遊びや学習を通して関わりを深め、コミュニケーションを重ねながら「待つ」を続け、お子さんの気持ちに応じて、少しずつ将来に向かって必要だと思うことに取り組んでいく、という対応を行っていきます。


おわりに


さて、今回はなぜ待つ必要があるのか、「待つ」というのはどういうことかということについて、私たちの考えを少しだけご紹介しました。


「待つ」に対して事業としてどう関わっていくことができるか、ここへの私たちなりの一つの答えとして、また、これまで通ってこられたたくさんのお子さん・ご家族の姿を反映して、今の事業の形を作ってきました。


「いつまで待てばいいのか」

「何もしなくて良いのだろうか」


こんな不安を持たれている方に、ぜひプラットを使っていただきたいと思います。



* * * * *


プラットでは1人ひとりのお子さんに個別の対応を行っています。

ご利用にご関心をお持ちの方はまずは個別相談・見学にお問い合わせください。


閲覧数:71回0件のコメント

最新記事

すべて表示