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  • 執筆者の写真地域の学び舎「プラット」

高校選択と受験準備への動機づけについて

更新日:2022年2月23日

Q:中学生で勉強をほぼしておらず、受験に向けても全く動きません。高校に行けるのか心配なのですが、どうしたら動いてくれるでしょうか?


A:高校選択の視点と、行動の動機づけの視点の2つに分けて回答させていただきます。


<高校選択の視点>

例えば不登校の中学生のお子さんで学習にほぼ手がついていない場合、学力が小学校低学年~中学年で止まっていることは、決して珍しくありません。 結論として、そんな状況でも中3の秋ごろに動き出せば、高校進学という意味では全く問題ないと思います。


この場合の高校進学には、公立高校も、私立高校も、特別支援学校への進学も含まれます。


一番多いのは私立の通信制高校への進学です。通信制高校の入試では学力はほとんど問われない場合も多く、もちろん学力が高ければ選択肢は増えますが、高校進学自体については大きく心配する必要はありません。面接や作文がある場合も多いですが、それらができずに不合格というケースは、私たちが関わってきた中では少なくとも経験したことがありません。


特に首都圏ですと高校は本当に数が多くバリエーションに富みますので、いくつか候補を出し足を運んでみると、お子さんはそれぞれ「この学校はこれが嫌だった」「A高校とB高校だとA高校の方が良かった」など何かしらの感想を持たれます。


基準はそれぞれですが、自分なりの基準で学校を選んでいくことは可能であると思います。ただ、足を運ぶという部分に関しては自力でできるお子さんは少なく、ご家庭の後押しが必要になるかもしれません。


ちなみに、公立高校への進学も、不登校期間が長く小学校高学年で学習が止まっているというお子さんが中3の冬に動き始めて合格するというケースも、それなりにあります。


<行動の動機づけ>

モチベーションは、プラスのものを得るために働くもの、マイナスを避けるために働くものの、大きく2つに分けて考えることができます。


望ましいのは、「学習自体が楽しいから取り組む」「高校に行き○○がしたいから頑張る」 といったことですが、このように感じられるお子さんはかなり稀です。学習が苦手なお子さんの場合、実際に動く原動力となるものは「マイナスになることを避ける」方向のモチベーションが多いです。


中学2・3年生で受験が近づくと、高校進学に対し何も感じないということは少なくなってきます。つまり、勉強はしたくないしすごく高校に行きたいわけでもないけれど、このまま何もせず大丈夫かな…、ちょっとは何かやっておかないと…、高校は行かないと将来困りそう…などを実は感じていることがほとんどです。(全く感じないというお子さんも2~3年に1度ほど稀にいらっしゃいますが)


例えば、受験への不安な気持ちを10段階で言うといくつ?(10=とても不安)と尋ねると、「2」と答えるお子さんがいます。保護者の方はもう中3なのに全然不安を感じていないのか、とため息をつかれることもありますが、0でも1でもない2ということの内側に「動く理由」があるのです。


大体の判断には0か1ではない複数の方向の気持ちが存在します。例えば、100のうち30%は高校のことを考えること自体が面倒くさい、40%は勉強したくない、20%は高校くらい卒業しないと困りそう、10%は他のみんなと同じように学校に行きたい、のような感じです。


本当は前向きな気持ちも少しはあるのに、周囲のプレッシャーを感じて前向きな気持ちに焦点を当てられなかったり、色々な気持ちが絡まって考えを進められなかったり、という場合が大いにあります。


こうした場合、「面倒くさい“けど”そろそろやらないと」となるのを待つ、抱えている前向きな気持ちを引っ張り出す、という対応が必要になります。


ご家庭としては、「そうはいっても何もしないわけには」「いつになったら動くのか」と感じるものでしょうし、こういった状況が上手く回るというのは中々難しいことです。


私たちのような第3者の関わりを入れ、代わりに話を進めていくことで良い方向に向かうことも少なくないと思いますので、相談機関や医療機関・別の事業所さんなど、私たちに限らない話ではありますが、使えるものはぜひ有効に活用いただきたいと思います。




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